M&Aクラウド
村上 祐也 CFO兼M&Aアドバイザリー部部長 マネージングディレクター
PROFILE
東北大学工学部卒、東京大学大学院新領域創成科学研究科修了。新卒で野村證券へ入社し、インベストメント・バンキング部門にて投資銀行業務に従事。2019年1月にM&Aクラウドへ入社。M&Aアドバイザリー事業部の立ち上げを担当し、M&Aアドバイザリー部 MACAPを設立、同部長に就任。
将来の起業だけでなく、CxOや投資家へのキャリア形成にもプラスに
ディールにつながった具体的なプロジェクト事例があれば、お聞かせください。
村上
私が携わった中で印象深いのは、DeNAによるSC相模原というサッカーチームへの資本参加の案件です(2021年2月、DeNAはSC相模原の株式19%を取得しトップスポンサーとして協賛を開始すると発表した)。SC相模原は望月重良さんという元サッカー日本代表の方が2008年に創設したチームで、神奈川県3部リーグからスタートし10数年でJ2まで成長してきました。ですが、そこから先の展開を考えると個人の力だけでは難しいので、大企業と組むことでさらなる成長を遂げたいとお考えでした。一方、DeNAは野球の横浜ベイスターズ、バスケットボールの川崎ブレイブサンダースというプロスポーツチームをすでに持っていて、いずれも神奈川がホームです。SC相模原には打ってつけのパートナーではないかと考え、我々からご紹介させていただきました。そして、ちょうどDeNAでもサッカーチームに興味があったということで上記の合意に至った、というプロジェクトです。mixiによるFC東京の子会社化、メルカリの鹿島アントラーズ経営権取得など、最近盛り上がっている「スポーツ×IT」というトレンドにも沿っていますし、双方に喜んでいただけた良いディールだったと思っています。
御社が理想とするM&Aの形ですね。
村上
これは他のスタートアップでも非常によくある話で、これまでは何とか自分の力でやってこられたけれど、その先を見据えるとちょっと厳しいな、と考える経営者というのは意外なほど多いです。そこで将来を見据えた適切な譲渡先を探すお手伝いをする、というのが我々のサービスの根幹ですね。
御社自体もスタートアップとして資金調達もされていますが、今後のビジネス展開について教えてください。
村上
会社としての事業の柱はあくまでM&Aプラットフォーム事業なので、そちらを大きくしていきながら、徐々にM&Aアドバイザリー事業とのシナジーを創出していきたいと考えています。これは弊社サービスの特徴なのですが、M&Aクラウドは買い手の顔が見えるプラットフォームです。現在でもサイトを見ればイオン株式会社や株式会社LIFULLといった大手企業の皆様に掲載いただいていることが分かりますが、こうした買い手企業の考えや事業内容、M&Aを理解したうえで売り手がエントリーできるというプラットフォームサービスは、国内では稀有な存在です。このサービスを通じて数千万~数十億円規模のM&Aや資金調達が日本でより頻繁に行われるようになり、新規ビジネスやイノベーションが生まれやすい土壌が育まれるよう、我々がプラットフォーマーとしてリードしていきたいと思います。そのためには、M&Aアドバイザーだけでなくエンジニア、カスタマーサクセスチームや営業といった人員も必要になっていくので、採用活動には引き続き注力していきます。
最後に読者の方々にメッセージをお願いします。
村上
これまでお話ししてきた既存事業だけでなく、足元ではさらに新規事業も立ち上げており、時価総額10兆円企業を創るべく日々奮闘していますので、仲間と大きなことを成し遂げたいという熱量を持った人、分かりやすく言うと、志をともにした仲間と毎日泥だらけになって練習して本気で甲子園優勝を目指そう! ということを面白そうと思ってもらえるような人には、ぜひ来ていただきたいと思います。一方、顧客だけでなく弊社自体がスタートアップなので、若手でバリバリやっている経営者と資金調達やM&Aを通じて一緒に仕事をしたり、成長企業のダイナミズムを肌で体感することは、将来起業したい、CFOを含むCxOまたは投資家になりたいと思っている方にも大きなプラスになると思っています。そういったキャリアパスのひとつとして弊社に興味を持っていただくのもウェルカムですので、ぜひ気軽に話を聞きに来ていただければうれしいです。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
※インタビュー内容、所属、タイトル等はすべて取材当時のものであり、現在と異なっている場合がございます。