コンサルタントへの転職 学歴は不問か否か

コンサルタントになるのに学歴は関係あるのか? 答えは「基本的には大きく関係するが、後からの挽回も可能」です。
外資系戦略コンサルティングファームは高学歴
学歴がひとつのポイントになるのには様々な要因がありますが、外資系戦略コンサルティングファームになると、中途採用でも競争倍率は100倍単位で、書類選考上、ある程度学歴や経歴で線を引いておかないと採用にとてつもない労力がかかってしまうことがまず挙げられます。
また、コンサルティングファーム自体が「ブランド」ですから、そのブランドに相応しい学歴・職務経歴の人材を揃えておくこともファームの戦略です。案件獲得に際してクライアントにメンバーの経歴を見せることも多く、「これだけ優秀なメンバーが対応します」というある意味わかりやすい最初のアピールも必要です。
実際、外資系戦略ファームになるとメンバーの半数以上が東大出身者ということも珍しくありません。
新卒採用と転職では基準も異なる
コンサルタントへの転職時、学歴による影響は先述の通り「基本的には大きく関係するが、後からの挽回も可能」です。
しかし、新卒採用の場合は学歴による精査は転職時と比べ厳しくなります。
下記は、国内大手の総合コンサルティングファームであるアビームコンサルティング株式会社の新卒採用の募集要項です。
引用:
・日本国外の大学・大学院を卒業(卒業予定)の方
・日本国内の大学・大学院を卒業(卒業予定)かつ日本国外での留学経験がある方
引用元URL:https://www.abeam.com/jp/recruit/
上記のように新卒採用においては、日本国内の大学・大学院の場合、「日本国外での留学経験がある方」と限定されてしまいます。
一方の転職時においては、書類選考上の有利・不利はあれど新卒採用と比べれば前職(現職)で何をしていたか、どのような能力があるのか?と合わせた選考が行われます。
海外トップスクールMBAはアドバンテージに
学部レベルでの学歴がそれほど関係なくなるケース、学歴が高くなくても後から挽回できるケースがいくつかあります。
一番分かりやすいのが海外トップスクールMBAです。世界のトップ10、もっと言えばトップ5くらいになると、過去の学歴・経歴がどうあれ、明らかに企業側の見方が変わります。
大手コンサルティングファームになると、トップスクールに直接リクルーティングに行くこともありますし、留学前に有志だけを集めた壮行パーティーを開いたりもします。それくらい扱いが違います。
資格がプラスに働くのは限定されたファーム

次に資格です。
誤解を恐れずに申し上げれば、転職において資格が効力を発揮するのは一部の限定された企業・求人のみです。
例えば会計士や弁護士資格を持っていても、マッキンゼーやBCGではそれ自体はあまり評価されません。しかし、総合系ファームのCFOサービス部門や再生コンサルティングファームではポテンシャルに加え一定の専門性も求められるため、これらの資格が非常にプラスに評価されます。
当然、資格だけではコンサルティングは出来ませんが、大手ファームのように機能別にチームを分けているといった背景があれば、何らかの専門性や業界知識(経験)が学歴をカバーしてくれる可能性が出てきます。
リンク:https://www.antelope.co.jp/navigation/consul/qualification/
また、資格ではありませんが、理系大学院における専門性、究極的には博士号を持った方などが大学名を問わず評価されるケースもあります。
理由は上記の資格と同様で、例えばクライアントがメーカー中心で技術コンサルティングを行っているファームであったり、特殊なリサーチや分析を行っているファームなどでは、そういった知見を持った人材が求められることもあります。
英語力や飛び抜けた能力を持っていると評価されることも
英語については、帰国子女の方など完全にバイリンガル並みであれば強い武器になることがあります。
「英語はビジネスレベル」という人は数多くいますが、本当にグローバルファームで求められるレベルの方となると日本ではまだまだ限られているというのが実感です。
クロスボーダー案件が急増している昨今、飛び抜けた英語力をお持ちであれば学歴はある程度ハードルを下げても良い、と採用担当者が言ってくるケースもあります。
あと、これは余談ですが、例えばあるスポーツに対してプロ並みに打ち込んでこられた方であったり、ごく特殊な才能を持った人材が、学歴がそれほど高くなくても戦略ファームに採用されたケースもあります。
実際、そうした方々は入社後にコンサルティングの前線で大活躍されています。もしかしたら、日本も少しずつ“尖った人材”が評価される時代に入ってきているのかもしれません。
最後に大事になるのは、学歴と能力の「掛け算」
コンサルタントへの転職と学歴の関係について、いくつかのケースを挙げて説明させていただきました。
現実としてコンサルタントになるのに学歴は関係するものの、肩書のみで十分条件を満たすわけではなく、最後はその人自身が持っている色々な能力との「掛け算」になるのが本当のところです。
また、近年はファームから独立し、一人でコンサルタントをやっている方も数多くいらっしゃいますが、そうした方々はすでに自分自身がブランドになっているわけで、もはや学歴など何の関係もありません。
まずは学歴を気にするよりも、ご自身が「なぜ、どんなコンサルタントになりたいのか」をとことん考えてみることが大切です。
監修:アンテロープキャリアコンサルティング この記事は、アンテロープキャリアコンサルティング株式会社が監修しています。 コンサル業界・金融業界への転職に役立つ情報を発信しています。 |
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