A.T. カーニー　インタビュー特集第1回：私がA.T. カーニーを選んだ３つの理由

A.T. カーニー

日本法人会長　梅澤高明

PROFILE

A.T. カーニー株式会社会長兼 A.T. カーニー消費財・小売プラクティスのグローバルリーダー。東京大学法学部卒業、マサチューセッツ工科大学経営学修士課程修了。日産自動車株式会社を経て、A.T. カーニー（ニューヨークオフィス）に入社。1999年より日本オフィス勤務。2007年に日本代表就任。2014年より日本法人会長兼消費財・小売プラクティスのグローバルリーダーに就任。

-米国の産業を裏側から見てみたかった
-世界50以上のオフィスが、お互いに刺激し合う
-日系の大企業を相手にした仕事が9割
-やりたいことがある、だから拡大する

やりたいことがある、だから拡大する

これまでのお話の延長線上になるかと思いますが、A.T. カーニーの５年後、10年後といった中長期的なビジョンを、他社との差別化を含めてお話しいただけますか？

梅澤

まず申し上げておきたいのは、我々は、コンサルティング業界の中でどこに勝った負けたとか、どう差別化しようということには、正直言ってあまり興味がないということです。興味がないというか、どうせやるならもっと大きなことをやりたい。ですので、他のファームも我々もそれぞれのフロントで頑張って、どれだけのスピード感でこの国の経済、社会をいい方向に持っていけるのか、これが一番大事な問いなんです。敵だとは全然思わないし、もしかしたらライバルでもないかもしれない。それぞれみんながいい仕事をしましょうよ、本当に今この国はそれを求めてますよ、という風には思ってますね。
その上で、我々が５年後、10年後どうしていたいかというと――その時点で我々が充実感、達成感を持っていられるかどうかは、ひとえにクライアント企業やその産業がどれだけ隆々としているかによるんですね。どんなにプロジェクトの数が増えて、どれだけのフィーをいただいて、我々の事業規模が何倍になっていたとしても、もしその時日本が立ち行かなくなっているならば、それは我々の敗北だと思うんです。そこを我々のレゾンデートルにしたいと心底思っていますし、みんなその想いで仕事をしています。ですが、現時点で我々のケイパビリティの量と質はまだまだ足りていない。我々は、やりたいことに比べて仕事を提供できる陣容が足りない、だからこそ拡大したい、と考えます。やりたいことがないのであれば、無理して拡大しなくてもいいんです。やりたいこと、やらなければいけないことはいくらでもあるんですよ。けれども、実際に今いる陣容と経験値のプールだけで出来ることは、やりたいことの……まあ半分あるかないかでしょうか。力のある方、アスピレーションの高い方、どんどん門戸を叩いて欲しいなと思っています。

それでは最後の質問になりますが、梅澤さんがA.T. カーニーで働くことを通じて得られたこと、自己実現出来たことを教えていただけますでしょうか。

梅澤

私がここで得られたことですか、そうですね――「取り組むべきテーマや目標を自分で定義して」、「必要な仲間を社内外から縦横無尽に集めてチームを作り」、「目標実現に向けて全力で走り続けられる」という今の状態。これが私がA.T. カーニーで得られていることかもしれないですね。当然１つ１つの仕事に関しては、達成感もあるし、満足する部分もあるし、喜びもあります。私自身が学んだこともたくさんあります。だけど一番大事なのは、自分でテーマを選び、チームを組成し、大きなインパクトを産業や社会にもたらすべく、迷いなく取り組み続けていられること。これですね。

A.T. カーニーに入られて、非常に大きなことを実現されているんですね。

梅澤

そうですね。ただ、まだ実現…というか完成はしていないので、走っている最中ですね。どこかには必ず行き着くでしょうけど、どこまで行けるかはこれからの頑張り次第です。

本日は素晴らしいお話を伺うことが出来ました。ありがとうございました。

※インタビュー内容、所属、タイトル等はすべて取材当時のものであり、現在と異なっている場合がございます。

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A.T. カーニー

1926年設立、米国シカゴに本拠を置くグローバルコンサルティングファームの草分け的存在。世界40カ国に59オフィスを擁し、従業員数は約3000人にのぼる。公式HPに掲載されているだけでも、30年代のUSスチール、創業前のフェデックス、統一後の旧東ドイツや東欧国営企業、2003年のFIFA日韓W杯など、業界や課題を問わず非常にスケールの大きなプロジェクトへコミットしてきた歴史があり、そのすべてのケースにおいてクライアントの成功と成長に寄与している。

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