面接官からの深掘りに耐えうる自分になるために

2023-11-16 執筆者:岡田 真奈

気づけば11月、酷暑も過ぎ紅葉の季節になりました。
ハロウィンが終わるやいなや、街はクリスマス一色ですね。
皆さんは、どんな年末年始を計画されているでしょうか。

周囲の喧騒をよそに、実直にご自身のキャリアについて思考を深めている方もいるのではないでしょうか。
今回はそんな皆様のためにコラムをしたためます。

転職活動の第一関門である書類選考をやっと通過したと思えばすぐに、最大の関門と言える面接がやってきます。それも1社につき、平均3~5回は経験しなければなりません。

相談に来られる方々の面接後のご感想には、「予想以上に深いところまで掘り下げて質問され困った」というものが多々ございます。そこで、面接官からどれだけ深掘りをされても耐えうる自分になっていただくため、私なりの面接準備のHOW TOをご紹介します。

■これ以上できないところまで、「Why」と「How」を繰り返す

以下にシミュレーションしてみましょう。

「転職したい理由は何ですか」という質問に対し、以下のように分解していきます。

1)なぜ転職したいのか(Why):「キャリアアップしたいから」
2)あなたにとってキャリアアップとはどんなものか(How):「昇格することだと思う」
3)昇格することがなぜキャリアを向上させると思うのか(How):「裁量が大きくなると思うから」
4)裁量が大きくなるとなぜあなたは嬉しいのか(Why):「周囲により良いソリューションを自分の手で提供することができ、それがやりがいにつながるから」
5)それをやりがいだと感じるのは、なぜなのか(Why):「幼少時代・学生時代の〇〇という経験が基になっています」
6)なぜ、今いる職場では裁量をもてないのか(Why):「年功序列の組織のため、成果を上げても年を重ねないと裁量をもてる立ち位置に行けないから」
7)今の会社で、どのようにしたら希望の立ち位置に行けるのか(How):「成果を上げ続け、年を重ねるのを待つしかありません」
8)年を重ねるまで、なぜ待てないのですか(Why):「自分は今がもっともアンテナを張って情報収集し、迅速な判断ができる時期だと思います。今のように決められた枠の中で何年もいると、そういった感覚もスキルも鈍ってしまいます。そのため、今行動したいのです」
9)では、あなたの転職目的は簡潔に言うと何なのでしょうか:「裁量をもって良いソリューションを提供することに自分はやりがいを感じます。しかし現職ではその実現は難しいと考えたため、転職活動をしています」


以上、こちらはあくまでも一例ですが、1)で答えた転職理由と、9)で答えた転職理由には、大きく差があるのがお分かりになりますでしょうか。面接官の立場になってみてください。どちらの回答をする人物と面接を続けたいか。本気度を感じるか。もちろん正解はありませんが…。

このように、一つの想定質問に対し、「Why」と「How」を繰り返すという方法、もしよろしければ試してみてください。自己理解にも繋がり、場合によっては家族や同僚への感謝の気持ちが芽生えることもあります。

面接対策を行いたい方、本番前にアウトプットの機会が欲しいという方、お気軽にご相談お待ちしております。

岡田 真奈 / Mana Okada
【経歴】
早稲田大学教育学部卒。新卒で三井住友銀行入行。個人富裕層および中小企業営業を経験。採用面接や人材開発にも携わる。その後野村證券にて証券セカンダリーセールスを経験。通算約13年間金融業界の業務を経験。自身がキャリアに悩んだ経験と、経営者の人材に関する悩みを目の当たりにした経験から、個人のキャリア構築に貢献し、企業を人材面からチアアップしたいという思いでアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
アセットマネジメント、不動産金融、銀行、証券会社セカンダリーなどを担当。金融機関における業務経験をもとに、金融機関勤務の方々のキャリア支援に強みを持つ。国家資格キャリアコンサルタント。