キャリアのトランジションを乗り越えるために

2023-05-11 執筆者:岡田 真奈

皆さんは「キャリアのトランジション」という言葉をご存知でしょうか。トランジションを和訳すると「移行」「過渡」「転機」となります。

私はアンテロープに参画する前に、キャリアコンサルタントの国家資格を取得しました。その際に、この「キャリアのトランジション」という概念に出会いました。どの業界で働く方にも、また現在就業されていない方にも知っていただきたいと思い、ここでご紹介させていただきます。

キャリアのトランジションは、人生の転機(もしくは過渡期)と理解いただければと思います。ナンシー・シュロスバーグ(1929年米国生まれ)という、カウンセリング心理学の教授が提唱した概念です。
トランジションが起こる原因として以下が挙げられます。
1)人生における役割が変化したとき
2)人間関係が変化したとき
3)日常生活に変化がおきたとき
4)自己概念(自分というものの捉え方)が変化したとき

この4つのうち、1~2つ以上が起きたときに人は過渡期、転機を迎えると言われます。

そして、そういった変化には以下のような種類があります。
・起こると予測できていた変化
・予測できなかった変化
・起きてほしいと期待していたが、起こらなかったという事実

ライフイベントでいうと、就職・結婚・子の誕生・離婚・死別・退職などがイメージできます。

では、そういったキャリアのトランジションに直面したとき、人はどういう状態になるのかをみていきましょう。
転機の始まり: 喪失感や自分を否定してしまう感覚をもちやすくなります。
転機の最中: 空虚さや混乱を感じやすくなります。
転機の終わり: その状況を受容するようになります。

U字型を描くように、いったん沈んで辛い状況を経て、だんだんと浮上するイメージです。

こういったトランジションのU字型の底、苦しい時期の乗り越え方について、シュロスバーグは3つのシステムを活用することが大切だと言っています。
A. 支えてくれる人、人間関係
B. キャリアの転換を支援する公的機関・民間団体
C. 転換期をうまく乗り越えるための経済的資源・物理的条件

転換期を迎えた方に、私たちアンテロープのコンサルタントは上記のA~Cを適宜提供できると考えています。

Aの支えてくれる人、人間関係ですが、身近な人だけに相談できることがある一方で、ことキャリアに関する問題は相手が大切な存在だからこそ話しづらいということもあるのではないでしょうか。ここに、Bにあたるアンテロープが介在することで冷静な外部の視点が導入され、人間関係とキャリア開発の両方をうまく解決することが出来るかもしれません。

また、Cの経済的資源・物理的条件についてですが、これは現在の仕事や経済状況を見極め具体的にどう変えていくのか(あるいは変えないのか)を模索することに繋がってくると思います。その点、私たちはプロの転職エージェントですので、求人情報のみならず様々なアドバイスを提供させていただくことができます。

私たちのようなエージェントはたくさん存在しますが、あくまでも「転職したい人が使うサービス」という捉え方が根強くあると思います。しかし、ここにお伝えしたような人生における転機は誰にでも起こりうることです。私は、目先の転職相談のみならず、そういったお一人お一人が転機を乗り越えるためのご支援ができる存在になりたいと考えています。

キャリアのトランジションを迎えているが、身近な人に話しにくくて一人で暗中模索している、そんなお悩みをお持ちの方は、私たちにお話になってみませんか。

岡田 真奈 / Mana Okada
【経歴】
早稲田大学教育学部卒。新卒で三井住友銀行入行。個人富裕層および中小企業営業を経験。採用面接や人材開発にも携わる。その後野村證券にて証券セカンダリーセールスを経験。通算約13年間金融業界の業務を経験。自身がキャリアに悩んだ経験と、経営者の人材に関する悩みを目の当たりにした経験から、個人のキャリア構築に貢献し、企業を人材面からチアアップしたいという思いでアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
アセットマネジメント、不動産金融、銀行、証券会社セカンダリーなどを担当。金融機関における業務経験をもとに、金融機関勤務の方々のキャリア支援に強みを持つ。国家資格キャリアコンサルタント。