年収で転職先を決める時の考え方

2022-12-13 執筆者:福永 達也

今年も残りわずかですね。2022年は様々なスポーツで日本が躍進した年でしたが、個人的にはサッカーW杯の日本の大活躍にとても興奮しました。2023年は野球WBC、ラグビーW杯などが予定されており、また楽しみな1年となりそうです。

さて、今回は転職の際の年収の考え方について簡単にまとめてみました。

転職先を決める際に、各社から提示された年収で判断する方は比較的多いと思います。これはもちろんごく自然なことですが、入社時の年収だけではなく、今後数年間のトータルで最大の報酬を得ることができるか、という視点を取り入れることも大事だと考えています。

1)キャリアチェンジの場合

未経験にもかかわらず、選考過程でのパフォーマンスが良いことではじめから高い職位、高い報酬を得られることがあります。これは選考時の評価が高く、期待値の高さの表れでもありますのでとても素晴らしいことです。新しい職種であってもキャッチアップが早く早期に実績を挙げていくことのできる方にとっては、一気に報酬を上げていく良い機会になりますが、期待された成果をなかなか出せないと、再度転職を考えなければいけなくなるリスクもあります。
一方、企業によっては能力に見合った職位よりもあえて1つ下の職位で、年収も少し下げてオファーを出すこともあります。これは必ずしも評価が低いということではなく、段階を踏みながらしっかりと力をつけていただきたい、との意味合いであることがあります。この場合は自分の意思に反して再度転職活動をしなければならなくなるリスクはほとんどありませんので、いったんしゃがむことにはなりますが、今後数年間、安定的に報酬を上げられる可能性が高いと言えます。ただし、しゃがみすぎてしまうと数年間のトータルでみても、転職前と比べて報酬が下回ってしまうリスクがあります。

2)これまでの経験の延長線の場合

既に同様の仕事での経験があるので、転職先でどの程度活躍できるかのイメージがわきやすく、好条件のオファーを得やすくなります。入社後も期待値と大きなずれのない活躍をされるケースが多く、報酬を順調に増やしていくことができます。もちろん、即戦力性が高いからといって無理な報酬水準を要求してしまうと、結果的には自分を苦しめることになるので、希望をどの程度とすることが適切かは、その会社の給与水準等を踏まえた上で検討する必要があります。

転職時の年収は当然重要ですが、それ以上にそこから数年間でのトータル報酬はより重要だと考えています。転職市場の動向、業界の特性、リターンとリスクのバランスなど様々な要素を加味しながらご検討いただきたいと思います。アンテロープには20年間以上にわたり培ってきた知見がありますので、迷われた場合はぜひお気軽にご相談ください。

福永 達也 / Tatsuya Fukunaga
【経歴】
青山学院大学経済学部卒。2001年よりキャリアコンサルタントとして20年以上にわたり数多く方のキャリアアップに貢献。2005年から2015年までアンテロープにて、コンサルティング、マネジメントポジション、投資関連ポジション、企画系ポジションなどを中心に幅広い領域をカバー。その後、同業他社を経て2022年より復職。

【担当領域/実績】
コンサルティングファーム全般(戦略・総合・シンクタンク・財務・再生・IT・ブティックなど)、事業会社(CxO、経営企画、M&A、ファイナンス、ITなど)、ファンド(投資担当、ポートフォリオチーム、投資先CxOなど)。これまでの長い経験で培った人脈・実績をベースに、ベテランから若手までの幅広い層へのキャリア支援を行っている。