先日、米国の人材業界向け雑誌「Staffing Industry」を読んでいたら、上記のCandidate Relationship Managementというトピックが掲載されていました。通常、Customer Relationship Management(CRM)については良く聞きますが、聞きなれないフレーズである一方、弊社のコアバリューである「キャンディデイトファースト」にも関連する内容だったため、興味を持ち読んでみました。記事の簡単な概略は以下の通りです。
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従前より、人材エージェントはキャンディデイトとのリレーションの重要性については理解していたが、一般的な事業会社で活用されているCRMのような概念を包括的に応用しているところはほとんどない。
一方で、優秀なキャンディデイトは自身の立場の強さに気づき始め、キャンディデイトとエージェントとの関係性は少しずつ変化している。
人材エージェントはこれまで以上に既存のキャンディデイトとの関係維持にリソースを集中し投資をしていかないと厳しい競争に打ち勝つことはできないだろう。
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確かに、人材マーケットの近未来を予想すれば、優秀なキャンディデイトほど、ジョブマーケットにおいて企業、人材エージェントに対して相対的優位さを確立してくるのは間違いないと思われます。相対的優位さの源泉は情報量、またその情報を得るためのツールの多様さであると思われます。
情報は
・企業の内部情報
・選考プロセスの情報(誰がどのような質問をするのか、どのような筆記試験が出題されるのか等)
・業界全体の給与情報
・キャリアパス
などが簡易に得られ、その得るためのツールは
・既存のエージェント
・Web情報
が進化し、さらに
・Web2.0(特にビジネスSNS)
が今後、急速に発達し、ジョブマーケットにおいて有益な情報を得るための代表的なツールになっていくものと思われます。
このような事実、事態は私たちにとっても脅威ではありますが、当然のこととして受け入れ、私たち自身も進化していきたいと考えています。
Candidate Relationship Managementについて組織としてどのような仕組みを構築していくのか、アンテロープの08年度の重要課題となっています。

- 【経歴】
上智大学法学部卒。日興證券(現SMBC日興証券)を経て90年、建築関連のビジネスを起業。約7年のベンチャー経営後、プロフェッショナルのキャリアデザインに関連するビジネス創造を目指して、人材エージェントにてコンサルタントを4年間経験。2002年、「野心と向上心を持ったプロフェッショナル」に対してチャレンジングな機会提供を行う目的でアンテロープキャリアコンサルティングを設立。同社は投資銀行、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、アセットマネジメント、不動産ファンド及びコンサルティングファームのフロント人材の長期的なキャリアデザインを支援している。07年アンテロープの共同創業者の増井慎二郎氏とオープンワーク(株)(旧(株)ヴォーカーズ)設立にも関わる。
【担当領域/実績】
専門は投資銀行、PE投資ファンド、投資先企業マネジメントポジション、不動産ファンド。