経営者も転職の判断材料

2017-12-27 執筆者:鈴木 勝則

転職において、何を判断基準にして会社を選ぶべきかには様々な見解があり、転職を考えている人の立場によっても一様ではありません。一般的には“専門性が生かせる(伸ばせる)会社”、“成長性が高い会社”、“待遇や環境が良い会社”等を判断材料にすることが多いと思います。もちろんこれらの材料は大切な要素ですが、長期的なキャリアを考えるのであれば、その会社の経営理念や経営者の人物像も判断材料に加えてみてください。

経営者や経営理念の重要性は、転職先で長期的なキャリア構築を考えている方の場合、自分が経営層に加わる事をイメージすれば、それがいかに重要であるかがすぐに理解できると思います。

一方、転職先でスキルアップや待遇アップを目指す方も、会社の経営理念が共感できるものであれば、仕事に誇りを持って取り組むことが出来、自らのパフォーマンスの向上に繋がるはずです。

中には将来起業を考える方もいらっしゃると思います。こうした方にとっても、成功を収めた経営者の行動を間近に見られる事は、色々な意味で参考になるはずです。

スタートアップのベンチャーや成長期にある企業、あるいは創業者が社長を務める企業などは経営者が見えやすく、その人柄や経営理念も比較的見極めやすいと思います。一方、大企業では経営者の実像が見えにくく、なかなか生の経営理念も見えてこない事があります。このような場合は、ぜひとも経営者の理念や人物像が社員に浸透しているか、面接の場で確認してみてください。働く価値のある会社であれば、社員は経営者を理解し、経営理念も共有出来ているはずです。

昨今は企業の不正問題が様々な形でクローズアップされており、それに伴いコーポレート・ガバナンスの重要性は益々重要視されてきています。そのため、経営者がどのような理念に基づいて会社運営を行っているのかは、更に身近な問題になるはずです。

転職先を決定する上では、ぜひ、経営者の人物像や経営理念に共感できる会社かどうかも判断基準として、転職を価値のあるものにしてください。

鈴木 勝則 / Katsunori Suzuki
【経歴】
中央大学理工学部卒。シティバンク、エヌ・エイにて外国為替カスタマーディーラーとしてトップティアの事業法人や金融法人を担当。後に同行プライベートバンキング部門に異動し、投資カウンセラーとして個人富裕層顧客にも対応。その後カナダ・ロイヤル銀行にて再び大手法人顧客への外国為替のセールスに従事。20年以上に亘り、金融業界で多様な顧客と国際金融市場との架け橋役を担ってきたが、テーマを社会で最も重要な「人」に変え、向上心を持つプロフェッショナルと人材を求める企業との架け橋となるべくアンテロープに参画。

【担当領域/実績】
資産運用会社(アセットマネジメント)、プライベートバンク、フィンテック、銀行・証券のセカンダリーを中心としたフロントおよびセールスポジション等、マーケット分野を中心に担当。金融業界での長年のキャリアをベースとした情報やネットワークで、幅広い年齢層の転職をサポートしている。